笠岡市カーボン・マネジメント強化設備導入事業
概要
本事業では、笠岡市の公共施設である笠岡市立図書館、笠岡消防署、北出張所、寄島出張所の4施設において照明、空調設備の省エネ更新工事を行いました。さらに、クラウド型BEMSを導入し、施設担当者がエネルギー使用量を管理しやすくすると共に、クラウドの特徴を活用し、他施設でもエネルギー目標管理ができるようにしました。
導入した設備機器・システムの主な特徴
◆照明
照明設備は、窓からの採光が十分に確保できている部屋については、光センサーで昼光を感知し、自動で照度出力を抑制するシステムを採用しました。また、照度基準を見直し、初期照度を必要最低限に絞り込むことで、更なる省エネを行っている施設もあります。
◆空調・換気
空調設備は、室内機を人感センサー付きとし、利用者数の変動や日差しによる暖房効果を感知し、必要なエリアのみ空調を行うことで省エネ化しました。また、換気についてはCO2濃度センサーを用いて適切な室内CO2濃度になるよう外気導入量を抑制することで空調熱負荷を低減している施設もあります。また、CO2濃度制御により適切な室内CO2濃度になる設備を導入し、外気導入量を抑制することで、安価で更新後のメンテナンス費用を抑えたシステムとしました。省エネ効果の高い設備更新工事は高価であるという、これまでの思い込みを塗り替え得る現実的で先導性の高い取組と考えられます。
◆クラウド型BEMS
本事業の対象施設では、省エネを担当とする職員が常駐していない中で、導入した省エネ設備の性能を十分に生かすため、対象施設すべてにクラウド型BEMSを導入しました。設備の稼働状況や省エネの進捗状況を、中央のエネルギー管理部署で定期的に監視し、計画どおりに省エネが進んでいない施設がある場合は、適切なアドバイスを行うことで確実な目標達成に繋げることができます。各施設においてもクラウド型BEMSを積極的に活用し、照明、空調設備の稼働状況を詳細に把握・分析し不必要な設備稼働の停止、消し忘れ対策を行っています。
取組実績の先進性・モデル性
本事業は、特に2つの点で先進性・モデル性に優れていると考えられます。
- 笠岡市の象徴的施設として今後も使用される笠岡市立カブトガニ博物館、生涯学習機能の中心的施設となる笠岡市立図書館、地域防災の重要拠点となる4消防署にて先進的な省エネ事業を行うことで、施設の利用者や、来場者に対して先進的な温室効果ガス削減のノウハウを永続的に発信することができます。
- これまで設備更新は設備の著しい老朽化や、故障が発生した場合にのみ実施していましたが、本事業ではエネルギー起源CO2削減とその取組ノウハウの普及を主目的として更新工事を行いました。そのため、更新する機器は使用時間が長い機器に限定し、導入機器の能力を必要最低限にダウンサイジングすることで、エネルギー削減効果とCO2削減に対する費用効率性を最大限に高めることとしており、今後の他施設での温室効果ガス削減の取組を先導する事業となっています。
事業年度:2020年度
エリア:岡山県笠岡市
契約先:笠岡市
補助事業名:地方公共団体カーボン・マネジメント強化事業